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姿勢に含まれる情報

『姿勢』には様々な情報が含まれています。

からだのどこの筋肉量が多くてどこが少ないのか、筋力の強い部分や弱い部分はどこか。

柔らかい筋肉はどれで、固い筋肉はどこなのかなどの状態を表しているのが姿勢です。

また、職業(座っている時間の長いデスクワークなのか、からだを動かす仕事なのか)とか、日々の食事の取り方、今の気分、性格や感情の傾向など、多彩なことを表しています。

筋力や筋肉の柔軟性などの物理的なことももちろんですが、精神のありようも姿勢を決定する大きな要因で、気持ちが落ち込んでいる時の姿勢、前向きな気持ちで将来への希望を感じている時の姿勢、不安な気持ちの時の姿勢など、その時の気分や普段の考え方が現れる気質、思考のクセなどが姿勢を決定づけます。

なぜ姿勢を見るだけで何故そんなことが分かるのかというと、筋肉は脳の命令を受けて思いのままに動く運動器という側面も持ちつつ、身体の各所の筋肉や内臓、目、耳、鼻、口、皮膚といった感覚入力器官でもあるので、脳と身体がお互いのフィードバックを繰り返しながら情報をやり取りする調整能力を持っているからです。その調整能力が働いた結果が姿勢なので、姿勢を見ると脳の働きの結果である感情がわかるということ。逆に言えば落ち込んだ姿勢を取り続けていると気分も落ち込みがちになってしまうし、前向きな気持ちの時の姿勢をとっていれば、おのずと精神状態も明るい気持ちになってきます。姿勢は感情の表れでもあり、感情をコントロールする手段でもある。ポイントは感情のコントロールよりも、姿勢のコントロールのほうがはるかにやりやすいので(意識的に動かすことのできるのが筋肉という随意筋です)姿勢をコントロールすることによって精神状態に影響を及ぼす入力方向のほうがはるかに行いやすいからです